第5回「ミャンマー犬」

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ヤンゴンでは、のら犬がそこらじゅうを闊歩しています。日中は餌を求めて歩き回り、暑い日は昼寝をしているだけなので、遠くから見るぶんにはかわいらしい存在です。もちろん、彼らは狂犬病などの感染症に感染しているリスクがありますから、触ってはいけません。そのことを頭で理解したうえで、遠目で愛でる分には問題ないだろう…と思っていました。

 

早朝5時頃、仕事の前に少し運動しようと思って外に出た時のこと。暗さもあってか言葉にならない違和感を覚えました。日中に出店していた屋台が消え、黒い土嚢のようなものがあちこちに散らばっています。おそらく、屋台の商品かなにかを袋に入れておいてあるのだな、いや、それにしても少し異様だな…そう思ってそのまま通りすぎようとしました。そのとき、その袋からピョコンと耳が生えたのです。いや、丸まっていた犬が暗がりの中で袋のようなものに見えていただけで、そこにはたくさんの犬、犬、犬…しかも、怒っている!どうやら犬の縄張りに足を踏み入れてしまったようです。あわてました。

 

そのとき、近くのホテルの警備員さんが出てきて、すごい剣幕で犬たちを追い払っていただきました。あのおじさんがいなければ今頃私は狂犬病になっていたかもしれません。いやあ、こちらの生活にも慣れてきたころですが、油断は禁物ですね。

第4回「ミャンマーの政情」

ミャンマーに来て1ヶ月半が経ちました。こちらの生活にも慣れてきたころで、現地の社員さんとも冗談を言い合いながら楽しく過ごしている毎日です。ヤンゴンの生活は渡航前に聞いていたとおり基本的には平和なもので、安全意識がつい薄らいでしまいそうになります。しかしながら、海外駐在員向けに注意喚起を呼びかけるメールが大使館などから連日届いており、とくに国境付近では武装集団が軍を襲撃するなど政治的に不安定な素地がまだまだ残っています。

このような政情に関する情報は、外務省の海外安全ホームページ(http://www.anzen.mofa.go.jp/)から収集することができますので、ぜひ活用してみてください。地域ごとの危険情報が色分けして区別されているので眺めているだけでも面白いですし、危険地域で何が起きているのかを考えてみるとその国の実態と世界の情勢が見えてきます。たとえばミャンマーの場合は、外務省の定めるレベル3(渡航中止勧告)とレベル2(不要不急の渡航中止)の地域がいくつかあります。これらの地域では一体何が起こっているのでしょうか。

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ミャンマーでレベル3(渡航中止勧告)が発令されている地区は、2016年10月現在、ミャンマー北部にあるシャン州コーカン自治区とカチン州ライザーと呼ばれる地域です。中国との国境沿いにあるこれらの地域では、少数民族武装組織がミャンマー政府からの停戦合意に応じず、政府軍との内戦が続いています。先月、アウンサンスーチー国家顧問が米国訪問し、経済制裁の解除を取り付けたことが話題となりましたが、実は米国訪問よりも中国の訪問を優先させています。国境付近の安全保障に影響力のある中国の協力を得、ミャンマー政府が少数民族との和平を最重要視していることが伺えます

また、ここ数日ミャンマーで話題になっているのはレベル2(不要不急の渡航中止)のミャンマー西部ラカイン州です。バングラデシュと国境を接するラカイン州の町マウンドーでは警察署が武装グループに襲撃され、20名以上の犠牲が出ています。ラカイン州では2012年から多数派の仏教徒と、少数派のイスラム教徒ロヒンギャの人たちの衝突が発生しており、今回の事件はミャンマーから不法移民として扱われているロヒンギャが実行犯とみられています。また、ロヒンギャの数は13~14万人ともされており、国外流出・難民化し続けています。

 

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一般的にはミャンマーは「仏教国で心優しい国」と言われることの多い国ですが、他宗教・他民族ならではの問題も孕んでいることに目を背けてはいけません。日本人にとってもこれらの諸問題が無縁であるというのは間違いで、たとえば紛争地で難民化した人たちが大量に日本に押し寄せてくるというのは現実としてあり得ることです。実際に、昨年度はミャンマーからの難民申請は808件ありました(在留資格が認められたのはたった12名です)。日本にいたとき、私にとって紛争や難民、貧困といった問題はどこか遠い国の問題としてとらえていました。そうではなく、これらは私たちにも影響を及ぼしかねない差し迫った問題なのです。日本人の役割として私たちは何ができるでしょうか。

第3回「ミャンマー料理ご紹介」

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皆さんは、ミャンマー料理を食べたことがありますか!?日本では高田馬場にいくつかミャンマー料理屋があるそうですが、日本にはなかなか馴染みのないミャンマーの食文化について紹介したいと思います。ミャンマー料理の主食は、お米です。ミャンマーの屋台にはインディカ米と呼ばれる細長いお米が食卓に上がることが多く、日本米は一部の日本料理屋以外ではあまり見かけません。副菜は「ヒン」と呼ばれる煮込み料理が多く、その具材はブタ・ウシ・ニワトリなどの肉類から、お魚、野菜など多岐にわたります。とくに現地のレストランに行くと必ずベジタリアン向けのメニューが準備されているおり、様々な宗教の方々に配慮しているように感じます。麺料理も有名で、「モヒンガー」と呼ばれるライスヌードルを使用した食べ物がとてもおいしいです。ナマズがとろとろになるほど煮込み、米粉やヒヨコマメなどの粉を使ってとろみを出したスープは、濃厚だけれども口当たりがくどくなく、何杯でも食べたくなるような味わいです。

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食あたりについて

さて、ミャンマーに来て、必ず注意しなければいけないことが、腹痛です!これは日本人だけでなく、ミャンマーの方々もしょっちゅうお腹を壊しています。私は幸いにひどい食あたりは経験していないのですが、弊社の事務所を見渡すと必ず1人か2人はトイレにこもっている方がいます…。ですので、せっかくの出張や旅行を台無しにしないために、ミャンマーに渡航される際は次のことに気を付けてください。

①屋台の食事を避ける

ミャンマーにはあちこちに香ばしい匂いの立ち込める屋台がありますが、短期間の出張や旅行の際に食事をするのはなるべく避けるようにしてください。とくに使用されている油などは何度も再利用されていたり、近くの日本食屋などから廃棄されたものを流用しているケースもあるそうです。ミャンマーには安くておいしいレストランもたくさんありますので、ぜひそちらで召し上がってみてください。

②万が一、お腹が痛くなった場合に備えて

結局のところミャンマーでは、どんなところで食事をとっていても食べ物が合わず、食あたりになるリスクは存在します。そのため、お腹が痛くなった場合の薬を準備しておくと安心です。日本で市販されている食あたりのための薬(正露丸など)は、ミャンマーの食あたりにも効果を発揮します。もしそれで良くならなければヤンゴン市内には薬局がありますので、ガイド等に確認して現地向けの市販薬を購入しましょう。素晴らしく効果があるそうです。

いかがでしょうか。食あたりには気を付け、素晴らしいミャンマーライフをお過ごしください。

【ものづくり】第1回 介護タブレット端末開発開始

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鹿島といいます。仕事で介護タブレット端末開発に携わる事となりましたので、これから1週間に一回程度、介護タブレット端末開発の進捗状況について書いていきたいと思います。さて、突然ですが、介護タブレット端末開発と聞いて皆さんは何を想像するでしょうか?

タブレット端末については普段皆さんが使われているタブレット端末と同じです。皆さんご存知の通り、アプリには仕事に役立つもの、家事をサポートしてくれるものから、 今いる位置の情報を利用して 天気や周辺情報を教えてくれるもの、みんなで楽しむゲームまで、 実にさまざまなものがあります。

そんな中、さくらコミュニティサービスが開発しようとしているのは介護現場の業務効率を上げ、さらにこれまで人が作成していた介護計画とよばれるものを自動で生成しようとすることを目的としたアプリです。

 

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介護現場では、介護担当者が利用者様に対して介護を行い、業務終わりにその日行った介護サービスの内容を、介護記録という形で残します。また、一人ひとりの利用者様の現在の状況を的確に判断して、今後どのような介護を行うかという計画を作成します。これらの記録や計画はこれまですべて介護者が手書きで行っていました。現場にはたくさんの利用者様がおりますのでこれは介護者にとって大変な時間と労力を費やす作業となります。

介護タブレットを用いれば、画面をタップするだけで、介護を行いながら簡単に介護記録を入力することが可能です。これにより入力ミスや漏れを防ぎ、さらには介護計画もタブレット端末に自動生成させようというわけです。

これからさくらコミュニティサービスが進めていく介護タブレット端末開発の過程をこのブログで紹介していきたいと思います。

【海外事業】第2回「植樹祭お手伝いの巻」

ミンガラバ~
 先日、JTB Polestar主催の植樹祭「Brighter Earth Project」の運営のお手伝いをしてきました。日本とミャンマーの友好を祝うチャリティとして数年前から始まったプロジェクトで、ミャンマー政府の大臣の方などの来賓も含め150名ほどの方々が参加されます。木の苗を植え、参加者全員で将来の発展を願う素晴らしいイベント……なのですが、当日はいくつかトラブルに見舞われることになりました。
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 植樹祭会場はヤンゴン市内からバスでおよそ3時間ところにあります。主催である弊社の現地従業員さんをピックアップし発車して間もなく、運転手さんが社内のテレビのスイッチを入れてくれました。放送されているのは、お坊さんが念仏を唱える映像…ミャンマーならではの風景です(視聴率が気になります)。市街を出ると舗装されていない道路を進み、森林の中をかき分けて進んでいきます。ヤンゴンの自然はどこか日本と趣を異にするところがあるといいますか、珍しい原生の草花が生い茂っています。「これから植樹するのにあまり森林伐採されてない」と一抹の不安を抱きながらもバスの揺れに身を任せます。そんなことを考えながら会場に到着すると、森の中に開けた原野が広がっており、植樹するための苗と道具一式が並べられてありました(前日に一部の社員さんが準備してくれていたらしい)。
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来場者の移動や道具の受け渡しの流れなども計算されていて、事前の陣頭指揮も統率が取れていたこともあり、準備自体は円滑に進んだのでした。さて、問題はここからです。来場者を待っていると、大きな雨粒がぽつぽつと降り始めたのです。今、ミャンマーは雨季。大きな雨粒は次第に強まり、大きな貯水池をひっくり返したような勢いある豪雨に変わり、雷も伴うようになりました。植樹場所もぬかるみ、日本から持ってきた私の運動靴もあっという間にダメになってしまいました…。しかし、こうなるとある意味で開き直れるといいますか、もうどうにでもなれという精神で植樹祭の準備を進めます。ちょうど準備が終わったころに、一般参加者の方々も到着です。
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彼らも最初は「えっ、この雨の中でやるんですか」と当惑・不安のまなざしで訴えていましたが、そのまま植樹祭を決行。参加者と主催者、全員で一人一本ずつ、木の苗を植えました。実際に腰を上げて作業してみると楽しいもので、雨の中の作業は、国籍・役職・立場を超えて子供のころに戻ったような純粋な楽しみを生み出しました。そして何より、自分の植えた苗に愛着がわくもので、ミャンマーの厳しい自然に負けず健やかに育ってほしいという思いは、会場の皆さんも感じていたのではないでしょうか。参加された皆さん、風邪だけは引かないよう、体調にだけは気をつけてください。雨の中お越しいただきましてありがとうございました。
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【海外事業】第1回「ミャンマーに来ました」

ミンガラバ〜

大山といいます。仕事で半年間、ミャンマーに滞在することになりましたので、これから1週間に一回程度、現地の情報をお届けしていきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。さて、唐突な質問で恐れ入りますが、皆さんはミャンマーについて何か知っていることはありますか?私の1年前のミャンマーの知識といえば、東南アジアのどこかにある国で、アウンサンスーチーさんは名前だけ聞いたことがあり、特徴的な仏塔のパゴダはテレビで見たことがある。その程度でした。おそらく多くの日本の方にとっても、ミャンマーはいわばよく知らない「無縁の国」なのではないでしょうか。しかし実はミャンマーと日本は昔からお付き合いがあり、経済的にもお互いに支え合っている国なんですよ。

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アジア最後のフロンティアと謳われていている最大都市のヤンゴンでは、ビジネスチャンスを得るために世界各国からたくさんの人々が集まっています。私を受入れていただいているMyanmar Polestar Travels & Tours という企業では、様々な国籍の方が集まって皆さん楽しく仕事をしています。職場では英語、ビルマ語、日本語の3ヶ国語が飛び交っており、日本ではなかなかお目にかかれない珍しい光景が繰り広げられています。私としましては、こんなにも暖かく(気温は暑すぎますが)迎え入れていただいて、さらに今後の世界経済を担っていくミャンマーを日本の方々にもっと知っていただけるように、ブログを発信していきたいと思います。

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そんなミャンマーで、私は介護人材育成のための事業を組み立てるためにやってきました。日本は少子高齢化が進み、労働世代の足りない深刻な時代が到来しようとしています(もうすでに到来していると言ってもいいかもしれません)。その一方でミャンマーは、非常に親日的で日本文化に興味があり、日本で働きたいという方たちがたくさんいます。経済成長にともなって質の高い労働者が多く求められているなどの背景もあり、ミャンマーと日本がお互いに協力しあえる体制を築くことが両者の成長のために欠かせません。介護という仕事をきっかけにして、お互いに支えられる関係性を作ることが私の目的です。(続く)

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