2016年 10月 の投稿一覧

第5回「ミャンマー犬」

ミンガラネネキンバー

ヤンゴンでは、のら犬がそこらじゅうを闊歩しています。日中は餌を求めて歩き回り、暑い日は昼寝をしているだけなので、遠くから見るぶんにはかわいらしい存在です。もちろん、彼らは狂犬病などの感染症に感染しているリスクがありますから、触ってはいけません。そのことを頭で理解したうえで、遠目で愛でる分には問題ないだろう…と思っていました。

 

早朝5時頃、仕事の前に少し運動しようと思って外に出た時のこと。暗さもあってか言葉にならない違和感を覚えました。日中に出店していた屋台が消え、黒い土嚢のようなものがあちこちに散らばっています。おそらく、屋台の商品かなにかを袋に入れておいてあるのだな、いや、それにしても少し異様だな…そう思ってそのまま通りすぎようとしました。そのとき、その袋からピョコンと耳が生えたのです。いや、丸まっていた犬が暗がりの中で袋のようなものに見えていただけで、そこにはたくさんの犬、犬、犬…しかも、怒っている!どうやら犬の縄張りに足を踏み入れてしまったようです。あわてました。

 

そのとき、近くのホテルの警備員さんが出てきて、すごい剣幕で犬たちを追い払っていただきました。あのおじさんがいなければ今頃私は狂犬病になっていたかもしれません。いやあ、こちらの生活にも慣れてきたころですが、油断は禁物ですね。

第4回「ミャンマーの政情」

ミャンマーに来て1ヶ月半が経ちました。こちらの生活にも慣れてきたころで、現地の社員さんとも冗談を言い合いながら楽しく過ごしている毎日です。ヤンゴンの生活は渡航前に聞いていたとおり基本的には平和なもので、安全意識がつい薄らいでしまいそうになります。しかしながら、海外駐在員向けに注意喚起を呼びかけるメールが大使館などから連日届いており、とくに国境付近では武装集団が軍を襲撃するなど政治的に不安定な素地がまだまだ残っています。

このような政情に関する情報は、外務省の海外安全ホームページ(http://www.anzen.mofa.go.jp/)から収集することができますので、ぜひ活用してみてください。地域ごとの危険情報が色分けして区別されているので眺めているだけでも面白いですし、危険地域で何が起きているのかを考えてみるとその国の実態と世界の情勢が見えてきます。たとえばミャンマーの場合は、外務省の定めるレベル3(渡航中止勧告)とレベル2(不要不急の渡航中止)の地域がいくつかあります。これらの地域では一体何が起こっているのでしょうか。

%e5%8d%b1%e9%99%ba%e6%83%85%e5%a0%b1

ミャンマーでレベル3(渡航中止勧告)が発令されている地区は、2016年10月現在、ミャンマー北部にあるシャン州コーカン自治区とカチン州ライザーと呼ばれる地域です。中国との国境沿いにあるこれらの地域では、少数民族武装組織がミャンマー政府からの停戦合意に応じず、政府軍との内戦が続いています。先月、アウンサンスーチー国家顧問が米国訪問し、経済制裁の解除を取り付けたことが話題となりましたが、実は米国訪問よりも中国の訪問を優先させています。国境付近の安全保障に影響力のある中国の協力を得、ミャンマー政府が少数民族との和平を最重要視していることが伺えます

また、ここ数日ミャンマーで話題になっているのはレベル2(不要不急の渡航中止)のミャンマー西部ラカイン州です。バングラデシュと国境を接するラカイン州の町マウンドーでは警察署が武装グループに襲撃され、20名以上の犠牲が出ています。ラカイン州では2012年から多数派の仏教徒と、少数派のイスラム教徒ロヒンギャの人たちの衝突が発生しており、今回の事件はミャンマーから不法移民として扱われているロヒンギャが実行犯とみられています。また、ロヒンギャの数は13~14万人ともされており、国外流出・難民化し続けています。

 

mon-son-at-the-villageimg_8714

一般的にはミャンマーは「仏教国で心優しい国」と言われることの多い国ですが、他宗教・他民族ならではの問題も孕んでいることに目を背けてはいけません。日本人にとってもこれらの諸問題が無縁であるというのは間違いで、たとえば紛争地で難民化した人たちが大量に日本に押し寄せてくるというのは現実としてあり得ることです。実際に、昨年度はミャンマーからの難民申請は808件ありました(在留資格が認められたのはたった12名です)。日本にいたとき、私にとって紛争や難民、貧困といった問題はどこか遠い国の問題としてとらえていました。そうではなく、これらは私たちにも影響を及ぼしかねない差し迫った問題なのです。日本人の役割として私たちは何ができるでしょうか。

第3回「ミャンマー料理ご紹介」

ミンガラバー

 

皆さんは、ミャンマー料理を食べたことがありますか!?日本では高田馬場にいくつかミャンマー料理屋があるそうですが、日本にはなかなか馴染みのないミャンマーの食文化について紹介したいと思います。ミャンマー料理の主食は、お米です。ミャンマーの屋台にはインディカ米と呼ばれる細長いお米が食卓に上がることが多く、日本米は一部の日本料理屋以外ではあまり見かけません。副菜は「ヒン」と呼ばれる煮込み料理が多く、その具材はブタ・ウシ・ニワトリなどの肉類から、お魚、野菜など多岐にわたります。とくに現地のレストランに行くと必ずベジタリアン向けのメニューが準備されているおり、様々な宗教の方々に配慮しているように感じます。麺料理も有名で、「モヒンガー」と呼ばれるライスヌードルを使用した食べ物がとてもおいしいです。ナマズがとろとろになるほど煮込み、米粉やヒヨコマメなどの粉を使ってとろみを出したスープは、濃厚だけれども口当たりがくどくなく、何杯でも食べたくなるような味わいです。

img_6114 morning-market2

 

食あたりについて

さて、ミャンマーに来て、必ず注意しなければいけないことが、腹痛です!これは日本人だけでなく、ミャンマーの方々もしょっちゅうお腹を壊しています。私は幸いにひどい食あたりは経験していないのですが、弊社の事務所を見渡すと必ず1人か2人はトイレにこもっている方がいます…。ですので、せっかくの出張や旅行を台無しにしないために、ミャンマーに渡航される際は次のことに気を付けてください。

①屋台の食事を避ける

ミャンマーにはあちこちに香ばしい匂いの立ち込める屋台がありますが、短期間の出張や旅行の際に食事をするのはなるべく避けるようにしてください。とくに使用されている油などは何度も再利用されていたり、近くの日本食屋などから廃棄されたものを流用しているケースもあるそうです。ミャンマーには安くておいしいレストランもたくさんありますので、ぜひそちらで召し上がってみてください。

②万が一、お腹が痛くなった場合に備えて

結局のところミャンマーでは、どんなところで食事をとっていても食べ物が合わず、食あたりになるリスクは存在します。そのため、お腹が痛くなった場合の薬を準備しておくと安心です。日本で市販されている食あたりのための薬(正露丸など)は、ミャンマーの食あたりにも効果を発揮します。もしそれで良くならなければヤンゴン市内には薬局がありますので、ガイド等に確認して現地向けの市販薬を購入しましょう。素晴らしく効果があるそうです。

いかがでしょうか。食あたりには気を付け、素晴らしいミャンマーライフをお過ごしください。